塚田農場 学生アルバイト 親子対談 塚田農場のバイトが面白くて親も安心な件について父と子で話し合ってみた

地鶏を始め、宮崎の美味しい郷土料理を手頃な価格で堪能できると話題の居酒屋「宮崎県日南市 塚田農場」。料理の味はもちろん、ホスピタリティあふれる接客が多くのメディアで紹介されています。

そんな「塚田農場」でのアルバイトは、学生に大人気。背景にはアルバイト自身が考え、その場でアイディアを試してみることができるという自主性を重んじる教育方針や、就活支援プロジェクト「ツカラボ」に参加できることなど、他店には見られないアルバイト向けのサポートがあるようです。

今回は、銀座中央通り店の学生バイト、川口達也さんとお父さんにインタビュー。達也さんには、「塚田農場」で働いてみてのやりがいや感想などを聞いたほか、超常連客で「秘密の役職」だというお父さんには、大好きな「塚田農場」でのアルバイトを通して達也さんがどう変わったのか?などについて伺いました。

  • 息子さん
    川口 達也さん(かわぐち たつや)
    銀座中央通り店のホール担当
    理系の大学1年生で、塚田農場でのアルバイト歴は約5ヶ月。週3~4回、授業の後などに勤務している。
    大学では、フォーミュラレーシング部に所属。
    川口 達也さん
  • お父さん
    川口 兼治さん(かわぐち けんじ)
    通信社勤務のエンジニアで、塚田農場の超常連
    来店頻度に応じて昇進する名刺の役職は、課長・部長・専務・社長を経てヴェールに包まれている。
    足を運ぶ店舗は都心から遠く九州にまで及ぶ。
    川口 兼治さん

“他の飲食店とはちょっと違う”と感じて始めた塚田農場のバイト

達也さんが塚田農場でアルバイトを始められたきっかけは何ですか?

父に薦められました。父は塚田農場の大ファンで、バイトを始める前に家族で連れてきてもらったことがあります。僕はまだお酒は飲めないんですけど、料理がすごく美味しかったのを覚えています。

あと、塚田農場ではスタッフとお客様との距離が近いのも印象的でした。スタッフがまるで友だちみたいにお客様と話していて、とても楽しそうでした。他の飲食店とはちょっと違うなと感じて、僕もやってみたいと思いました。

達也さんは人と話すのがお好きですか?

好きなんですけど、普段はなかなかちゃんと仲良くなれた感じがしなくて。塚田農場で働けば、人と話す力やコミュニケーション力を磨けるんじゃないかと考えました。

お父さんは、なぜ達也さんに塚田農場でのアルバイトを薦められたんですか?

理由はまず、教育がしっかりしていることです。副社長の大久保伸隆氏が著書「バイトを大事にする飲食店は必ず繁盛する」(幻冬舎新書)でもおっしゃっている通り、塚田農場にはアルバイトを大切に育てる文化があります。そして従業員がやりがいを持って楽しく働ける環境づくりこそが、客にとっての良い店作りにつながると考えられています。

実は達也が大学に入学して間もない頃、私から店長に「息子がアルバイトを探していてさ…」と相談したことがありました。すると店長から、「ただ働くだけじゃなくて、働く楽しさを伝えたい!この気持ちに共感をしてくれるのなら、息子さんに一緒に働いてほしい!」と、達也を熱心にスカウトいただいたという経緯があります。世間ではブラック企業が話題ですが、塚田農場であれば安心して子どもを預けられます。

もう1つの理由は、接客の素晴らしさです。私は地元でボランティアをしていて、打ち上げで初めて町田の塚田農場を訪れて以来、その魅力にハマりました。きっかけは、アルバイトの絶妙な対応です。

もう一杯ほしいなと思うちょうどのタイミングで注文を取りに来てくれたり、箸が落ちたらすぐ代わりを差し出してくれたり。他の居酒屋だと、店員を呼んでもしばらく来なかったりしますよね。でも、塚田農場ではアルバイトがしっかり客の様子を見て接客してくれる。教育が行き届いているんですね。

また、塚田農場のアルバイトは客とのコミュニケーションをすごく大切にしていて、忙しい中私たちを気にかけてくれ、話しかけてくれるんですよね。それで何気ない会話の中から私たちの情報を引き出し、「ジャブ」として料理や気の利いたちょっとしたサービスで私たちに還元してくれます。

※ジャブ…「客1人につき400円までなら、自分で考えたサービスを提供してもいい」というアルバイトに与えられた権限

つねに“客が何を望んでいるのか”に気付き、先を読んでサービスしてくれる。ホスピタリティが抜群ですよね。

それはきっと、社会に出てから仕事でも通じることですよね?

はい。私はシステムエンジニアで、顧客とよく打ち合わせをします。そこではどんなシステムにしていくのか、会話から顧客の意図や課題を汲み取り、まとめていくスキルが求められます。塚田農場のアルバイトで培ったコミュニケーション力やホスピタリティは、そうした仕事の場面でもきっと活きると思いますよ。

また、私たちの会社では分からないことがあっても質問しない若手を見かけます。彼らは優秀ですが、誰にも聞かず考えたり調べたりして、何とか自分で解決しようとします。でも知っている人に聞けば、1分で答えが分かることもあるんです。

努力は認めますが、そういう場面で1人だけで対処しようとするのは、あまり効率的とは言えません。塚田農場で働いていた子なら、そんな時も上手に質問できるでしょうね。

「気づき」「コミュニケーション力」─。学べることは時給以上

達也さんは普段、ホールを担当されているんですよね。実際に塚田農場で働いてみて、いかがですか?

正直、時給以上に学んでいることが多いです。

具体的にはどんなことをですか?

私も聞きたいね(笑)。

父も言っていた通り、「気づき」です。少しずつですがお客様の仕草や雰囲気から、何を求めていらっしゃるのか察して動けるようになってきたと思います。

例えばお客様がメニューをちらっとご覧になっていたら、「ドリンクか新しい料理がほしいのかな」と考えて声をかけます。また、お客様が会計以外で席を立ったり、荷物を整理していらっしゃったら、「トイレに行きたいのかな」と考えて様子をうかがい、席を立たれたらお客様が迷わないようにお手洗いまで案内しています。

「もしお客様が立ち上がったら…」、その先を予測する力は店舗での研修で学び、日々の営業で実践していることの1つです。

まだまだですけどね(笑)。達也がシフトに入っている時にもお店へ行くんですが、飲み物を運んでくるタイミングとか、私から見れば至らない部分も多くて。今でも忘れられないのですが、達也がアルバイトを始めて2日目くらいの時に、私の前でトレーに載せた飲み物を10杯ほど一気にこぼしてしまったこともあったりで…。

それは大変でしたね(苦笑)。常連のお父さんから厳しいお言葉をいただきましたが、達也さん、コミュニケーション力についてはいかがですか?

これも徐々にですけど、身についてきた感覚はあります。お客様がお店で過ごされるのは1日のうちほんの数時間ですが、できるだけお客様と仲良くなれるように心がけています。特に銀座中央通り店にはビジネスマンのお客様が多いので、お話しの仕方など接客を通して勉強させていただいています。

ちなみに達也さんはなぜ銀座中央通り店でアルバイトをしようと?確かお父さんが地元にも塚田農場があるとおっしゃっていましたよね。

塚田農場の中でも父が特に信頼を寄せる店長のいる店が4店舗あって、その中から選びました。地元の店舗も考えたんですけど、父から「場所柄、銀座中央通り店には一流のビジネスマンもよく来る。そんな人たちと学生時代に接する機会を持てるのは貴重だ」とアドバイスを受けて、決めました。

あとは英語力をつけたかったので、外国人のお客様が多い銀座中央通り店で働けば、英語を使うチャンスが増えると思いました。

達也は普段、自宅のある神奈川から大学のある埼玉まで通っていて、店舗のある銀座はその通り道でも何でもないんです。だから当初、達也がアルバイトを続けられるかどうか不安でしたが、余計な心配だったようです。

「オンリーワン」のメッセージプレートから生まれた物語

達也さんが塚田農場のアルバイトでやりがいを感じるのは、どんな時ですか?

お客様が「楽しかった」とか「また来たい」と言ってくださった時が、1番うれしいです。自分の働きが、少しは結果につながったんだと感じます。

お客さんとのやり取りで、印象に残っていることはありますか?

2つありますね。1つ目はカップルのお客様の話です。

去年(2015年)、僕がアルバイトを始める前の年のこと。付き合って1周年の記念日に、銀座中央通り店を選んでくださったカップルのお客様がいらっしゃいました。そこで当時のスタッフがお二人の会話からそれを読み取り、デザートのお皿に当日の日付とお祝いのメッセージを書いて、お出ししたそうです。だけど日付を間違えて、1年先つまり今年(2016年)の西暦を書いてしまったらしいんですね。それでもお二人は、「来年の同じ日に来よう」と喜んでくださったそうです。

そしてお二人は約束通り、今年(2016年)の同じ日に来てくれたんです!そこで僕が別のスタッフからその話を聞き、同じようにデザートのお皿にチョコペンで“2017年○月○日”と来年の日付とお祝いのメッセージを書いて、お出ししたんですよ。するとお二人ともすごく盛り上がってくださって、「来年もまた同じ日に来ます!」とおっしゃって幸せそうにお店を後にされました。

それはうれしいですね。そういう機転はどこから生まれるんですか?

店長から学んでいます。この時も店長は、「どのお客様にも通じるありきたりなメッセージを書くことは誰にでもできる。オンリーワンのプレートを出して、お客様にとって特別な時間にしたら?」とアドバイスをくれました。その教えを受けて、僕はお店にいる時にはお客様に喜んでもらう方法をつねに考えています。もしかしたら友だちにサプライズする感覚と、少し似ているかもしれません。

もう1つは、初めて来店された男性のお客様との話です。その方は強面(こわもて)でマッチョなルックスをされていて、僕は最初思わず身構えてしまいました。でも接客を通してお話しさせていただくうちに、実はすごく気さくで良い方だと分かったんです。それで、お帰りになる頃にはとても仲良く接していただけるようになりました。

そして後日、僕がお店にいない日にそのお客様が来店されて、すぐ「達也はいないのか?」と尋ねられたそうです。後で僕はそれを聞き、ちゃんと覚えててくださったんだと、すごく感動しました。

店長は僕によく「鏡の法則」の話をしてくれます。「お客様は自分を映す鏡だから、お客様を笑顔にするためにはまず自分が誰よりも笑顔でいることが大切だ」と。それを意識して接客した結果だと思います。

素敵なお話ですね。お父さんは、達也さんが塚田農場でアルバイトを始めてから、変わったと思われることはありますか?

変わったというか、期待通りにはやっているなと感じています。100点満点でまだ10点くらいですけどね。

達也には以前、自己管理の甘い部分がありました。例えば浪人時代、勉強の進め方が要領を得なかったり、机の上が汚かったり。好きなことには一生懸命なんですけど、それ以外はいい加減にするところがありました。でも塚田農場で働きだしてから、徐々に改善されています。

アルバイトをすることは、半分社会に出ることだと思うんですよね。体調を崩したり、サボったりして休むと、他の人に迷惑がかかります。達也も授業や部活で疲れていることもあるはずですが、シフト通りちゃんと店に出ています。当たり前のことなんですけど、自己管理ができるようになってきた証だと感じています。「至誠を貫く」ことを本社の研修で学んだらしいんですが、その成果でしょうか。

※至誠を貫く…普段やらなければならないことを、真剣に本気で誠意をもってやること

実は塚田農場でバイトを始めて1回だけ、日焼けのしすぎで体調が悪くなってお休みしました。本当に申し訳なかったです。

コラッ、それも自己管理の不足なんだよ(笑)。

笑。お父さんはうれしいですね。息子さんが成長していく様子を目の当たりにされて。

そうですね。お店に来るたび、ほんの少しずつですけどそれが分かるので。

お父さんはそうおっしゃってますけど、達也さんはいかがですか?

うれしいですけど、自分でも「まだまだだな」と感じています。でも、父はもうちょっと息子に甘くてもいいんじゃないかなって思うことはあります(笑)。

甘いですよ、僕(笑)。

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