バイトの休憩時間を考えるときに参考になる4つの基礎知識

2017-02-08

基本的なことですが、正社員もアルバイト・パート従業員も、労働者としては同じ権利を持っており、その権利は労働基準法によって保護されています。この法律には、さまざまな項目について規定があり、休憩時間のことも細かく決められています。

一日の就労時間に制限がある業務をアルバイトが担当する場合は、法律上の休憩時間と身体的に必要な休憩のタイミングが合わないこともあるでしょう。その場合は、法令を遵守した上で、まずは労使双方で問題を解決する姿勢が重要です。その際、これから紹介する労働基準法や休憩時間に関する基礎知識は、大いに役に立つのではないでしょうか。

労働基準法とは?

アルバイトを含む労働者の権利を保護する法律には、労働組合法、労働関係調整法、労働基準法があり、合わせて「労働三法」と呼ばれています。

労働組合法は、労働者が使用者と対等な立場で交渉できるということを促進するもの。
労働関係調整法は、労働争議の予防や解決のための調整や手続きを定めたものです。

そして3つ目の労働基準法は、労働者の保護を目的とした法律で、労働時間や休日、賃金をはじめ、5つの項目に対して「使用者」が雇用する「労働者」の処遇に対して、最低限守るべき基準を定めています。

この法律は正社員だけでなく、契約社員やアルバイト・パートなど、労働者すべてに適用されるものです。

労働者の労働時間、休日、賃金のほか、休憩時間といった就労する環境条件に関わる事柄については、この労働基準法に明確な規定があり、使用者は必ず守らなくてはいけないという決まりになっています。

労働基準法に違反した場合、労働基準監督署からの是正勧告があり、その対応が悪質であると見なされた場合には、書類送検され、懲役や罰金が科せられることもあるのです。

休憩時間の定義

一般的にどのような時間を休憩時間とするかについては、それぞれの職場の慣習で異なる場合があるでしょう。

例えば、「作業をしていない時間は休憩と同じである」という考え方があります。労働生産性という観点では合理的であり、これに同意する雇用者は多いようですが、それは雇用者の視点に立った見方に過ぎません。

これに対し、労働者の権利保護を目的とした労働基準法が定義する「休憩時間」とは、「労働から離れることを保証されている時間」(昭22.9.13発基17号「労働基準法の施行に関する件」)を指します。

「労働から離れることが保証されている」というのは、逆に言えばすぐに仕事に戻れる状態は休憩時間とは言えないということです。

一部例外はありますが、例えば、電話応対のためにデスクで昼食を摂るような状況は、法律的には休憩とは言えません。

なお、休憩時間の長さ(法第34条「休憩」)については、労働時間が6時間を超える場合は45分、8時間を超える場合は1時間の休憩を与えることになっています。

これは、最低限の決まりですが、最長時間については規定がありません。とはいえ、この規定を大きく超える休憩時間が付与されることは、一般的には期待できないようです。

休憩時間の三原則

休憩時間には、「休憩時間の三原則」と呼ばれる基準があります。「休憩時間の位置」(法第34条1項)、「一斉付与の原則」(法第34条2項)及び「自由利用の原則」(法第34条3項)です。

まず、休憩時間の位置ですが、労働時間の途中に与えることが規定されています。例えば、始業開始直後、または終業直前に休憩時間を与えても違法になるのです。

次に、一斉付与の原則ですが、これは休憩を同じタイミングで与えるということ。休憩の効果を向上させるための規定です。

ただし、業務の円滑な運営を考えたときに、一斉に休憩に入ると支障が出る場合もあります。

運送、販売、映画、郵便、飲食店、官公署などの各事業は、その従業員が一斉に休憩に入るのは困難ですし、混乱の原因となりかねません。この場合は、例外として認められています。

またその他の事業でも、合理的理由で労使協定を結べば、一斉付与の例外として扱われるでしょう。

最後に、自由利用の原則ですが、これは休憩時間を自由に利用できることを規定しています。

しかし、合理的な理由(施設管理の必要や職場規律の維持など)があれば、ある程度の拘束を受けることは違法になりません。

さらに、警察官や消防士などの公的事業に携わる労働者については、自由利用の原則の適用除外が認められています。

アルバイトの休憩時間について

労働時間は週40時間で一日8時間を基本(法第32条「労働時間」)に考えられていますが、アルバイトとして勤務する場合は、労働時間が8時間に満たないことも多くあります。

その場合は、最低45分の休憩をとることができますが、6時間以下の場合は、休憩が与えられなくても労働基準法的には問題ありません。

では、残業で勤務時間が8時間以上になったバイトはどうなるのでしょうか?

この場合、法律では、最低1時間以上の休憩を労働者に与えれば良いことになっています。何時間働いても、1時間の休憩があれば合法となるのです。

その他、休憩時間の時給も気になるところでしょう。

労働基準法では、「労働の対償として使用者が労働者に支払うもの」が賃金(法第11条「定義」)と定められており、休憩時間中は労働とはみなされません。

なお、職場の社則によっては、「休息時間」が設定されている場合があります。これは、労働時間の間に15分以下の短時間の休みが与えられることをいいます。

この点については、労働基準法に定められておらず、自由利用の原則も適用されませんが、給与が支払われる点で「休憩時間」とは異なります。

休憩と休息は似たような言葉ですので、労働契約書類を確認しておくと良いかもしれません。

労使で十分に相談することも重要

以上、労働基準法によって定められる「休憩時間」に関する基礎知識を紹介しました。

一般常識や特定の職場での「休憩」と、法律的な「休憩」の持つ意味のズレが明らかになったのではないでしょうか。

もし、現在のバイト先で休憩時間について疑問がある場合は、まずは労務管理担当者に相談してみることをおすすめいたします。

尚、その際には、法的なことを用いて過度な対決姿勢をとることは避けましょう。

権利を主張することに問題はありませんが、アルバイトやパート従業員の立場はそれほど強くはありません。度が過ぎた主張は雇用者サイドの反感を買い、混乱を招く原因にもなりかねないからです。

バイトによって得るものは金銭的な対価だけではなく、さまざまな経験や人脈など多岐にわたります。何かを交渉する時には、まず「得るもの」と「失うもの」のバランスを考えてから行動するようにしましょう。

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